居合道との出会い 前

 きっかけは30代にして何か運動を始めたいと思ったからです。
 条件としては、1年中できること、ひとりでコツコツできること、武道であることでした。
 もともと剣道の経験があったので、剣道連盟のページを見ていたのですが、あの激しい動きを果たしてまたできるか、ビビっていたんですねぇ。そんな時、剣道連盟の居合道に目がいきました。なるほど、これなら剣道ほど激しい動きではなく、刀という慣れ親しんだ武具を手に、ひとりで一心不乱に没頭そうだと考えました。

 さっそく、自分の家の近くに道場があるのか探してみました。剣道連盟に所属している道場であれば、各都道府県や市町村の剣道連盟のページから道場を探すことができるはずです。
 幸いなことに、車で30分の距離に道場がありました。しかも小学生の時、知っている剣道の先生の名前で。恐る恐る先生の連絡先にお電話すると、「どうぞ、お出かけください」と丁寧に言ってくださいました。小学校の体育館でやっていたので、暗い時間に入口がわからず、不審者だったと思います笑

 さて、体育館、もとい道場へ入ると道着を着た壮年の方々が静寂の中で刀を振るっていました。その動作のなんと美しいこと。中央で指導している方が先生だとすぐにわかりました。「きっかけはなんですか?」と尋ねられたので、剣道をしていたので居合に興味を持ったことを伝えると、「剣道していたなら、居合もやらなきゃねぇ。30代ならちょうどいい歳だねぇ」と。この時、単純に剣道経験は居合に役立つという意味だと思っていたのですが、後々深い意味が込められていることを知ります。
 とりあえず見学を・・・と思っていたのですが、先生が帯と模擬刀を取り出し、ほら振ってみなと。私服に帯だけ巻いて帯刀している姿は傍から見たら面白かったでしょう。剣道にはない鞘からの抜刀は感動しました。そして、剣道のように素振りするのですが・・・重たい! 竹刀の何倍も重たく、身体がもってかれ前のめりになります。数回振っただけで腕がパンパンでした。そんな中、早速先生のご指導が入ります。

 剣道との違いはまず刀の持ち方です。
 剣道の竹刀は左手で柄頭を握りますが、居合刀は柄の中程です。この持ち方でだいぶ重さが緩和しました。
 また、剣道は相手の面を「打突」することを想定して素振りしますが、刀は相手を「切る」ことを想定して振るため、おヘソの前まで刀を振り下ろします。
 なるほど、本物の刀の扱い方を学んでいるのか!と感動しました。

 さて、感動もつかの間、居合の礼法をやろうということになりました。

 次回、居合との出会い 後

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